Portable ISDN Digital Audio Transceiver / Mixer

(For v1.2.0/v2.36 software)

Field Operators Guide フィールドオペレーターズガイド

 

 


 

ONLINE Mini Manual

株式会社 サウンドクラフト・システム技術DIV.

 


ZephyrExpress の概要と特徴

ZephyrExpress (ゼファーエキスプレス) はポータブル、ISDN回線(INSネット64) 1回線を使用してハイクォリティーの音声を簡単な操作で伝える事ができます。
フレキシブルなデジタルミキサーと2系統のモニターミキサー回路を内蔵しています。音声圧縮伸張方式と ISDNインターフェイスは世界共通規格を採用しています。

マイクとヘッドホン及びISDN 回線をZephyrにつないだら、双方向ステレオ20kHzの音声を世界中との間でやり取りが可能です。

ZephyrExpress は Telosの Zephyr、他の ZephyrExpressとは勿論、世界標準規格のMPEG Layer 2, MPEG Layer 3 またはG.722 規格を採用した他社製品とも通信が可能です。ひとつのボタンで設定のプリセットができ、ワンタッチで呼出が可能です。ZephyrEx-press はISDN回線を通じて通常のアナログ回線電話とも通信ができます。

ZephyrExpress(ゼファーエキスプレス)を持ち出して使用する時に便利なトランクもご用命下さい。

 

Features 主な機能

  • ZephyrExpress は高品質リモート放送に必要な基本の全てを備えています。使用方法も簡単です。
     
  • 4入力のミキサーはリミター、ローカットフィルター、マイクにはファンタム電源の機能を備えています。
    感度調整はマイク、ラインとも可能で送りも回路もA/B自由に設定できます。
      
  • 二つの独立したステレオモニターミキサーはローカルの音声と受信した音声とをフレキシブルな定位とルーティングができます。
    タレントはスタジオキューを聞き、タレントのマイクと受信音声をPAシステムに送るような使用方法ができます。
     
  • 周波数特性は、20Hz - 20kHz、 0.1dB 以内。歪は+10dBで 0.19% 以下、S/N比は 90dB 以上、最高のスペックです。
     
  • DSUを通してISDN 回線と接続します。112 kpbs (2x56k) または 128 kpbs (2x64k)のビットレートで動作します。
     
  • 用途、環境に応じて、幅広い圧縮、伸張方式の中から組合せを選んで使用できます。
    ・ MPEG Layer 3 Joint-Stereo は15kHz または 20kHz

    ・ MPEG Layer 3 Independent Stereo は 15kHz または20kHz ディレー少。マトリクスでの使用にも適しています。

    ・ Layer 3 Dual-Mono は 15kHz または 20kHz 完全2チャンネル伝送。またはモノラルを同時に別の2個所に。

    ・ Layer 2 Mono-128 は20kHz。モノラルですがLayer 2では最高の音質。

    ・ G.722 デュアルチャンネル 7kHz ディレー最小。
     

  • ISDN 片側チャンネルだけの使用もできます。モノラル (56/64 kbps) Layer 3 Mono は 15kHz または 20kHz
    Layer 2 Mono は 7.8kHz または9.8kHz 
    G.722 Mono は 7kHz。ディレー最小。 
    G.711 はアナログ回線の通常の電話と通信可能。
  • ステレオの音声を双方向で通信します。モノラルで同時に2個所に接続も可能。
     
  • 送信と受信は異なったアルゴリズムを選択できます。送りは音質優先、リターンはディレーを最小にセットなどの使用方法が可能です。
     
  • 分かり易いメニュー構成。
     
  • 複数の設定と電話番号を記憶可能。現場で簡単に呼出して使用できます。
     
  • SAFE モードにより、不用意にセットアップの変更を防ぎます。
     
  • HELP 機能により操作方法を知ることが可能。
     
  • 4つのパラレル接点入出力の伝達可能 (Layer 3 のみ)
     
  • ソフトウェアーで機能を設定している為、Windows PC により最新のソフトをダウンロードしアップデート可能。 

 

ZephyrExpress の多くの操作はメニュー画面で行います。後半にメニューの操作方法がありますが、これが変更できない場合はセーフモードになっています。
メニューか画面を選択するには: 

1.希望の項目がハイライトされるまでエディットノブを回します。 

2.このノブを押します。(ノブがプッシュスイッチになっています) 

Using the Mixers ミキサーを使う

ZephyrExpress は3つのミキサー部があります。 

1つはセンドミキサー 回線先に送るミキサー 

2つのステレオモニターミキサー レシーブ音と送り信号をミックスしてモニターできます。 

Send Mixer センドミキサー

INSネット64 1回線でLayer2またはLayer3のハイクォリティーのステレオ信号を双方向で送受信できます。Layer 2 mono 128の送信もできます。また、INSネット64 1回線で異なった場所 2個所にモノラルで送ることも可能です。 

MIC 1 またはMIC 2 ボタンを押すとマイク出力の送り先を選択できます。チャンネル A, チャンネル B, 両方、またはオ フの中から選択できます。ステレオ LINE 1&2 ボタンは ステレオ (AB), モノラル(A+B), またはオフが選択できます。. そ れぞれのボタンの上のLED が選択チャンネルを示します。 

これらの LED はリミターが動作すると赤色で示します。赤が点灯したまま続く場合は、オーディオメニュー画面を選 択して入力感度の調整をします。ここでファンタム、ハイパスフィルター、リミターのオン/オフもセットできます。 

Monitor Mixers モニターミキサー

二つのモニターミキサーを使って、ミックスマイナス送りや PA 送りをセットできます。
一方でキューをヘッドホンで聞くことができます。
モニター1 はノブの色がグレーでジャックとグレーのラインで囲まれています。
Monitor 2 は白 です。
それぞれのモニターミキサーは独立してステレオ送りとレシーブ入力があります。
それぞれA または B チャンネル、両方、またはオフが選択できます。
センドまたはレシープボタンを押して送りチャンネルを選択します。
それぞれのパンニングはオーディオメニューでセットします。 

Audio Coding Methods コーディング

ZephyrExpress はISDN 回線を使用して最大限のクォリティーで音声を圧縮、伸張して音声信号を伝えます。コーディング方法は各種の世界標準の方法を採用しています。
送り(send)と受け(receive)を異なった方式でコーディングが可能ですが、送り手側 (ZephyrExpress)と受けて側 (スタジオ) の設定は同じになっていなければなりません。
同様にスタジオ からの送りはZephyrExpress のreceive とマッチしなければなりません。これらの設定は Codec メニューで行います。 

送り(Transmit)と受け ( Receive) のセッティングはMPEG Layer II または Layer III, mono または stereo, または G.722.を 選択します。 
ビットレート (Bitrate) は日本国内では64kbpsを選択しますがアメリカとの交信では 56 kbps を使用する場合もあります。これは電話会社の回線の種類によります。
高いサンプルレートはより高い周波数まで扱うことができますがよりコンプレッションレートが高くなります。 

コーディング方法を変えるにはUtility : Codec サブメニューを使用します。 



Placing Calls 呼出し

ZephyrExpress はLCD画面 Ready が Ready になっていれば呼出準備ができています。
もしこれらの表示が 無い場合はZephyrExpress の ISDNラインのセットが必要です。
日本語 Mini-Manual インストラクションをご覧ください。 

Dialing ダイヤル

1. DIAL (ダイヤル)ボタンを押します。LCD画面でManual(マニュアル), Auto(自動), または Recent(最後にかけた番号)を選択します。 

2. Auto または Recentの場合、画面のリストの中の番号を選びます。 

番号をマニュアルで入力する場合はキーパッドを使用します。正しい番号を入れます。間違った場合はノブを左 (半時計).方向に回してキャンセルします。 

3. エディットボタンを押して番号を確認したら、画面の Go! がハイライトされます。もう一度 エディットボタンを押すとダイヤルします。 

ラインは2つのISDNコネクションのデータチャンネルの内のひとつを選択します。 

モードはオーディオを送るか通常のアナログラインと話すかを選択します。 

Hanging Up 回線オフ

回線の使用を終わるには DROP ボタンを押します。LCD画面に切断する回線の選択 Line 1, Line 2, または Both (両チャンネル)が現れます。エディットボタンを押して確認します。 

Working with ISDN ISDN関連

日本国内ではINS64回線とDSUが必要です。DSUの出力をZephyrExpress の S ジャックに付属の8ピンケーブルで接続し ます。 

アメリカで直接 2pのメタルワイヤーが準備されている場合は下段の U ジャックに接続します。 

ISDN Configuration ISDN設定

ISDN がターミナル以外動作しない この場合、 ZephyrExpress は正しい回路認定番号で電話回線会社のプロトコルにセットします。インフォメーションは回線及び電話会社によって異なります。 

ZephyrExpressへの設定はあらかじめスタジオでプログラムしておきます。複数の設定を記憶することができ、現場ではこの中から設定をワンタッチで呼出しISDNに接続が可能です。 

ISDN の設定は現場でも ISDN サブメニューから登録できます。 

Mic Inputs マイク入力

Mic 1 と Mic 2 はXLR タイプコネクター、バランス入力です。2ピンホット。
入力感度は-60dBu と0dBu (line level)
  Audio: Microphones サブメニューから選択できます。
もしソースがアンバランス出力の場合は3ピンを1ピン(GND)に接続して下さい。 

ファンタム電源(+48V)のオン/オフはAudio: Microphones サブメニューから選択できます。 

Power Supply パワーサプライ

ZephyrExpress は外付けのモジュラーパワーサプライを使用します。
電源は自動でAC 100 - 240 Vに対応します。 

  

The Menu System メニュー

メニューを開くにはUTIL ボタンを押します。以下のスクリーンが現れます: メニューを使用するには、エディットノブを回し希望のアイテムをハイライトします。
次に確認でエディットボタンを 一度押します。
メニューのトップに戻るにはノブを押しながら左に回します。 

メニューを終了するにはエディットノブを2 秒間押しつづけます。または 

アイコンを選択しノブを押します。またはノブを押したまま左に2クリック回します。 

図はグレーになったCodec が選択された事を示します。 

矢印マークはこの下にサブメニューがある事を示します。
左の縦のバーは画面の上下位置を示します。 

Codecを選んでEDITボタンを押すと以下の画面が現れます。 

各メニューの一番上の行は、設定する項目のタイトルです。
項目を変更するにはEDITボタンを回して変更箇所を選びます。
選んだらEDITボタンを押します。 

Main Menu Headings

Codec -------送信と受信の圧縮方式、サンプルレート、ISDNビットレート、診断、コンパチピリティーを選択します。 

ISDN --------ZephyrExpress のISDNタイプの設定。 

System  ----LCD コントラスト、バックライト、クリックボリューム、オプションの設定。 

SAFE Mode

セーフモードをオンにすると、画面に"SAFE "と表示が現れセッティングをロックします。
セーフモードはリアパネル の SAFE MODE スイッチを先の細いドライバーで解除できます。鉛筆、シャープペンシル等は使用しないで下さい。故障の原因となります。 

Zephyr Expressを外部に持出して使用する時には、技術担当者が動作設定及び確認を行い、ロックすると良いでしょう。

Testing

以下に続くテストが不良の場合はこのマニュアルのトラブルシューティングセクションをご参照下さい。 

電源投入でSAFE が点滅する場合。

ループバックがオンになっていて、通常の使用ができません。
Codec サブメニューのLoop mode をオフにします。 

1. Local Audio Tests

Mic1 ボタンをABに送りにします。ボリュームを上げマイクに向かってしゃべります。
センドメーターが振れるはずです。
Monitor 2のSEND ボタンABを押します。このボリュームを上げます。
ヘッドホンでこれが聞こえるはずです。 

2. Codec テスト

上記の様にマイクをセットします。
Codec サブメニューを呼出しTransmit をL3-DUAL そしてReceive を L3-MONO にします。Loop mode (ループモード)を Near (ニアー)にします。
数秒後Lock LED が点灯します。
マイク信号が両チャンネルのReceive (受信)メーターで表示されます。 

このテストが終わったらかならず Loop mode をOff にして下さい。

3. ISDN テスト

ステータススクリーンで"Ready" が2度現れる事を確認して下さい。
Inact, Init, または Wait と表示された場合はISDN に問題があります。 

Loop mode をOff にして上記のCodec テストと同様にします。
今つながっているISDNの2番目の回線番号を呼びます。
( 多くの場合ダイヤル番号は1番目と同じ) 数秒後Lock LED が点灯します。
マイク信号が両チャンネルのReceive (受信)メーターで表示されます。 

もしうまく行かない場合は、Codec サブメニューのビットレートを確認して下さい。
または電話番号を確認下さい。 

テストが正常にすんだらDROPボタンを押してください。
回線が切断されます。
Edit ノブを左に回しBothを選びます。 
ノブを押してhang up(切断)します。