ONE
Digital Hybrid Telephone Interface
ONE ラックマウントバージョン
ONE モデムケースバージョン
概要
Telos ONEのデジタルテレホンハイブリッドは、放送、インターカム、電話会議への電話回線を使用する用途に最適です。
高速、高精度のデジタルオートナリング(digital auto nulling)機能により他の貧弱なハイブリッドでしばしば経験する高域カット、歪み或いはフィードバック等の無い、滑らかで、自然な同時通話を実現します。
デジタル処理による送受信用AGC、会話を明瞭にするダッキング(ducking)、フィードバック抑制の為のピッチシフター機能を持っています。
電話側コネクターは通常のモジュラージャック、オーディオ入出力は XLR コネクターです。
マイク又はラインレベルのバランス入力と、二つのバランス出力を持っています。二つ目の出力はメイン出力と同じ又は送りと受けのミックスにスイッチする事ができます。
オプションにより自動着信/切断が可能です。
Telos ONEにはラックマウントバージョンとコンパクトサイズのモデムバージョンがあります。
ラックマウント…… 電源内蔵。19" EIAラックマウント。
モデムバージョン… 電源はACアダプタータイプ。
使用方法などは全く同じです。
特長
デジタルハイブリッドテレホンインターフェイス
自動着信回路内蔵可能(オプション)
デジタル処理によるハイブリッドファンクション、ゲインコントロール、フィルターリング
デジタル・オートナリング機能によりスムースでナチュラルな会話が可能
ラックマウントタイプ
使用電圧AC 90-260V, 50/60Hz
EIA 19インチ 1Uサイズ 482(W)×44(H)×238(D)mm (突起含まず)
モデムケースタイプ
使用電圧AC 120V 60Hz(+9V出力ACアダプター使用)
185(W)×37(H)×240(D)mm 1.0kg
デジタルハイブリッド
Telos ONE はゲインコントロールとフィルタリングをデジタル領域で行います。
デジタルハイパスフィルターはハムの抑制と他の低周波のインターフェースに使用されます。電話周波数以上の高域ノイズも減少します。
デジタル AGCは入出力レベルをスムースにします。Noise-gate/downward expanderはコーラー待機
(caller pause) の間受信ノイズを減少する為に用意されています。オーバーライド
(override) 機能はアナウンサーが話している時コーラーのダッキング (ducking)動作をします。この機能にはコーラーの音声信号がある時、フィードバックを押え、自然な会話を助ける為ダイナミックに送り側の音声信号を押さえるacoustic
duckerも含まれています。Telos ONEは独自のフィードバック抑制機能としてピッチシフトが有ります。
入力 (送り) 音声信号はフィードバックを防ぐ為に4Hz 低域にシフトされます。フロントパネルのメータは入出力レベルとゲインリダクション量を表示します。
動作
接続した瞬間にホワイトノイズを発生し回線のばらつきを自動調整します。このごく短時間のキャリブレーションの間、コーラーは"ノイズ"を聞きますが、Telos
ONEのオーディオ出力は自動ミュートしノイズがオンエアーされる事はありません。
DSPソフトウェアーによりリスナーの声をスピーカーでモニターするハンズフリーオペレーションでもフィードバックを起こしにくくなっています。
ハードウェア
高音質を得るために高級A/D, D/Aコンバーターを採用しています。 Telos ONEではCODECと呼ばれるICコンバータを使用しています。Telos
ONE のICコンバータは、通常使用されているSCF (Switched Capaciter Filter)より優れたオーバーサンプリングとデジタルフィルター、及びアンチエイリアシンクフィルターと再生フィルター技術を駆使しており、通常の電話のCODECよりはるかに高品質です。
音声処理はデジタル領域で行われるのでTelos ONEのハードウェアはいたってシンプルなものになっており複雑な調整は不要です。
マルチライン システム
Telos ONEは他のTelos製品と組合せて多回線対応のシステムの構築が可能です。
DIM (Direct Interface Module: ダイレクトインターフェイスモジュール: テロス製品)は、保留音 (PROGRAM-ON-HOLD)、電話機増設、オフエアでの通話等、便利で柔軟な10回線のスイッチ機能を提供します。
1A2インターフェースは標準の1A2キーの電話機用インターフェースです。 インターフェース、コントロールパネル等、数々のオプションが用意されています。
詳細はお問い合わせ下さい。オプションの Basic Auto Answerモジュールは外部からの電話呼び出しを自動着信します。加えて、Super Auto Answerモジュールは自動着信機能に加えダイヤルトーンデーコード、リモートオペレーションなど多くの機能を提供します。
SOFTWARE OPTIONS
ソフトウェアーの変更によりハイブリッドの特性を選択する事ができます。
Version 1.X Normal Operation 標準バージョン
Version 4.X Four-Wire Intercom / Teleconferencing このバージョンはRTS,
Clear Com, McCurdy等の4ワイヤー装置と接続する為のオプションです。センドレベルが約
6dB高く、ダッキングが変更されています。AGCはリミッターになっています。
Version 5.X "Dallas" Software このバージョンはノイズが特に多い、レベルもバラバラな回線の時に使用します。スピーカーフォンの使用に対応します。AGC機能がより強力になっています。
Version 6.X Intercom Intetconnect このバージョンはインターカムシステムに2ワイヤーで接続します。
INSTALLATION
図は ユニットがどの様に組み込まれるかを示しています。
電話回線との接続 LINE and PHONE Modular Jacks
電話回線はモジュラージャックLINEに接続します。
PHONEジャックはループスルー出力で通常は電話機に接続します。ハイブリッドがオフの時に回線はこのジャックにつながります。
コネクターは4芯の内側-2ピン (Black & Yellow)を使用しています。
"A lead" Output
1A2キー電話を使用する時の機能です。電話回線のオンをリレー接点で外部に出力します。
モジュラージャックの両外側のピンとリモートコネクターの2と8ピンに接続しています。
Auto-answer Capability
自動着信機能ユニットをセットできます。(オプション) Basic Auto-Answerボードは基本的な自動着信機能を行います。呼び出しで自動でハイブリッドをオンにし、回線が切れるとハイブリッドを自動でオフにします。PBXを通った回線、ISDNラインにTAをつなぎアナログ回線を使用している場合はこの機能が(特に切断)動作しない場合があります。
Super Auto-Answerボードは多機能な自動着信機能とリモートコントロール機能を持っています。回線の自動接続
(呼び出し回数を1回又は3回に選択可能)、自動切断、タッチトーンをデコードしてオープンコレクタで出力、多くの制御機能をソフトウェアーのオプションで選択可能です。
Multi-line Installation with Telos Interface Modules
TelosのDIMと組合せる事で多くの電話回線に対応できます。
"1A2" Key System Installation Without the Telos Modules
1A2キー電話に接続できます。 1A2キー電話はアメリカで使用されてきた、エレクトリックビジネスホンの前身にあたる電話器です。比較的簡単な機構で価格も現在のビジネスホンと比べると大変安く、信頼性も非常に高いものです。高度で複雑な機能は持っていませんが10回線の中から任意の回線を選んだりする基本的な機能を持っています。日本ではこの電話機を入手するのが難しいと思われます。Telos
ONEのループスルー出力には一般の電話機を接続してご使用下さい。
Electronic Phone Systems
ビジネスフォン (事務用多機能電話) と直接の接続はできません。 PBXとの接続はSCAサウンドソリューションズ社までご相談下さい。
オーディオ接続
ハイブリッドのブロック図を以下に示します。
MIX-MINUS
Telos ONEの入力はミキサーのミックスマイナス信号 (N-1) 出力を接続します。電話の相手に送りたい信号を全てミックスした信号です。リスナーのリターン信号を送ってはいけません
ミキサー側でレベルを上げても内部のリミターの動作により回線のレベルは規定値以上には上がりません。このレベルを変更するには回路の定数を変更する必要があります。
以下にミックスマイナス回路の基本ブロック図を示します。
Simple Mix-Minus
最も簡単な方法はアナウンサーのマイクのプリフェーダー信号を送る方法ですが融通性がなくあまりお勧めできません。ミキサーにAUXプリ送りの回路がある場合この出力を接続します。リスナーのリターンを接続したモジュールのAUXプリ送りは必ずオフにします。
Sophisticated Mix-Minus
一般的に放送用ミキサーはハイブリッドに接続するためのミックスマイナス回路を備えています。
またワンマンオペレーションに対応したミキサーではハンズフリーで電話対応するためのDJマイクプリ
/ N-1回路自動切り替え機能を備えています。
INPUT AUDIO CONNECTIONS インプットの接続
入力は以下の特性を持っています。
アクティブバランス入力。2番ホット。
入力インピーダンス約2kΩ。
入力のマイク、ラインレベルの選択はリアパネルのスイッチで行います。
LINEに設定時、入力レベルは-24dBvから+12dBv
MICに設定時、入力レベルは-68dBvから-35dBv
OUTPUT AUDIO CONNECTIONS アウトプットの接続二つの分離独立のアクティブバランス出力はそれぞれ以下の特性を持っています。
アクティブバランス
出力レベルはコーラーレベルAGCの如何に拘わらずレベル調整により、約-20dBmから+10dBmまで可変
1番ピンはグランド、2番3番ピンがバランス出力 アンバランス出力が必要ならグランドとどちらか一方のホットピン間をつないで下さい。未使用のホットピンはグランドに落とさないでください。
(注) 出力レベルメーターはゲインコントロールの前に入っています。
Main Output MAIN出力
コーラー(caller)のオーディオがメインアウトプットに出力されます。
AUX/MIX Output AUX/MIX出力
AUX/MIX OUTはメイン出力と同じ (独立出力アンプ) 又は送りとコーラー信号のMIX信号を出力します。設定はリアパネルのスイッチで行います。
スイッチを押しこんだ状態でメイン出力と同じ。
FRONT PANEL GAIN ADJUSTMENTS
フロントパネルにはIN及びOUTと表記された2つのトリム(半固定ボリューム)が有ります。
回線に送り込む信号のレベルと受けのレベルを調整します。
INPUT GAIN
ハイブリッドのXLR入力のレベルを設定します。出荷時は右いっぱいに回された位置です。以下の手順で調整します。
1. AGCとOVRDはオフにします。G/R - LEVELスイッチをOUTにします。IN/OUTスイッチをINにします。これでレベルメーターは入力を表示します。
2. 入力レベル設定は出荷時ラインレベルです。レベルの変更は内部のディップスイッチです。
3. オーディオ信号をコンソールのミックスマイナスに送ります。
4. INのトリムを左にまわし緑のLEDが点灯し、まれに赤が点灯する位置に調整します。
(注) トリムは多回転タイプです。 インプットトリムを右に回し入力レベルを上げても内部のリミターの動作により回線のレベルは規定値以上には上がりません。極度にこのレベルを上げすぎると歪の原因となります。
OUTPUT GAIN
OUTのトリムは受けた信号をミキサーに出力するXLR出力回路のレベル調整です。
OUTPUT と AUX/MIX両方に動作します。以下の手順で調整します。
5. AGCとOVRDはオフにします。G/R - LEVELスイッチをOUTにします。IN/OUTスイッチをOUTにします。これでレベルメーターは出力を表示します。メーターの表示は電話回線のコーラーのレベルでトリムよりの前の位置です。メーターの0は電話回線のレベルが約-15dBmに対応します。トリマーを回してもこの表示レベルは変わりません。
6. ハイブリッドの出力をミキサーのライン入力(TELCOリターンに接続します。
7. フロントパネルのONスイッチを押します。卓のフェーダーを基準位置にセットします。
8. ハイブリッドは電話の発信トーンが出力します。卓のVUメーターが+3程度になる様にハイブリッドのOUTトリムを回します。
9. 実際に電話をかけてテストします。
REMOTE CONTROL
リアパネル D-SUB 9ピンタイプのコネクターによりリモート操作ができます。
Function |
Pin No. |
NOTE |
Hybrid "ON" input |
1 |
ハイブリッドをオンにします。(メークパルス) |
"A" lead relay wiper |
2 |
ラインがオンの間閉じるリレー接点 COM |
Open-collector output |
3 |
ラインがオンの時に閉じるオープンコレクタ出力 (max.50mA) |
+5VDC |
4 |
+5V出力 |
Telco "LINE" tip |
5 |
電話回線、モジュラージャック(LINE)とパラ |
Ground |
6 |
グランド |
Hybrid "OFF" input |
7 |
ハイブリッドをオフにします。(メークパルス) |
"A" lead N.O. contact |
8 |
ラインがオンの間閉じるリレー接点.Normal Open. |
Telco "LINE" ring |
9 |
電話回線、モジュラージャック(LINE)とパラ |
Remote OFF/ON
ハイブリッドのOFF及びONのコントロールはグランドへのモーメンタリーONで行われます。22kΩでプルアップされたスタンダードTTL入力です。スイッチやTTLコンパチのオープンコレクタのロジックで直接コントロールできます。
自動着信機能
自動着信機能ユニットの"Super" Auto Answerボードを追加すると下図の様にコネクターが変更されます。
"Super" Auto Answerボードの機能、取り扱いについてはSAAのマニュアルをご参照下さい。
多彩な機能が提供されます。
Super Auto Answer 追加
電源入力
ラックマウントバージョン
ユニバーサル入力のスイッチング電源を使用しています。
AC 90Vから260Vまでユーザーの設定無しで使う事ができます。50/60Hz
モデムバージョン
9V DC /500mA のACアダプターを使用します。
コネクター 外形 5.5mm、ピン2.1mm タイプ。 内側プラス
OPERATION
FRONT PANEL CONTROLS
ON/OFF Pushbuttons
ONボタンを押すと、システムは電話回線に接続しごく短時間ホワイトノイズを送ります。これによりハイブリッドは回線に最適の設定を行います。この間出力はミュートします。
オフにすると回線が切れます。PHONEモジュラージャックにスルーします。
Output Processing: Override
このプッシュボタンはコーラーダッキング (caller ducking) とアコースティックダッキング
(acoustic ducking) の二つの独立した機能を持っています。殆どの放送用アプリケーションでは、このオーバーライド機能は全体のパフォーマンスにとって好結果を与えるでしょう。
Caller Ducking
この機能はコーラー (caller) のオーディオパスに働きます。アクティブの時、アナウンサーがしゃべるとコーラーの音声を約6dBダッキング
(落とす) します。しかしながら非常に高速なダッキング動作と送りのオーディオのマスキングによりコーラーレベルの変化は気づかれないでしょう。
この機能の目的は二つ有ります。 ・ 感覚的な性能。多くのタレントは彼らがしゃべる時コーラー側のレベルが下がる事を希望します。
・ "dynamic"トランスハイブリッドの改善
Acoustic Ducking
この機能はセンドオーディオパスに働きます。アコースティックダッキング (acoustic
ducking)はコーラーが話している時、コーラーに返すアナウンサーの信号をダイナミックにダッキング
(ゲインダウン) します。 Acoustic duckerはコーラーのモニターをスピーカーで行う時フィードバックを防ぐ為に使われます。オープンなスピーカーでモニターしているとコーラーはスピーカーからアナウンスマイクを経由した自分自身の声を聞く事になります。しかし、この機能により、コーラーにとってより自然な会話をする事ができます。
時定数は非常に早いので、Acoustic duckingは通常コーラーには気づかれません。唯一不利な点は、叫びたがっているコーラーを遮りにくい事でしょう。
Output Processing: AGC
電話のダイナミックゲイン処理はこのプッシュボタンで行います。
出力処理はAGCとノイズゲート/ダウンワードエキスパンダーの両方を含みます。
電話回線レベルとTelos Oneの出力レベルの関係を示したグラフでわかる通り、AGCは電話回線レベルの-30dBmと0dBmの間で略一定の出力レベルを保っています。約、-48dBmより下ではノイズゲート/ダウンワードエキスパンダーは残留するハイブリッドリーケージや回線ノイズを押さえます。
METERING
GR/LEVEL スイッチと IN/OUT スイッチによりメーターの表示モードを選びます。
機能 |
GR/LEVEL switch |
IN/OUT switch |
入力レベル表示 |
OUT |
IN |
入力ゲインリダクション |
IN |
IN |
出力レベル表示 |
OUT |
OUT |
出力ゲインリダクション |
IN |
OUT |
入力レベルは入力ゲインコントロールの後を表示します。マイク又はラインの選択の後、オーディオが入力されている時、"IN"と表示されたトリマーをインプットレベルメーターの表示が"0"になるように調整します。(G/R-LEVELボタンはoff,
IN-OUTボタンはon)"0"のLEDを超えるほどトリマーを回してもデジタルAGCの為に回線へのセンドレベルは増加しません。過大入力は結果として歪みやハイブリッドの性能低下をもたらします。
出力レベルメーターは出力ゲインコントロールの前に有ります。レベルはハイブリッド出力に接続されたミキサーの入力レベルに合う様に調整します。Telosの出力レベルメーター(G/R-LEVELボタンoff,
IN-OUTボタンoff)はコーラーのレベルを表示するからです。回線に音声が出力されている時、接続されている機器が基準値(0VU)になるようにハイブリッドの"OUT"と表示されているトリマーを調整します。ダイヤルトーンはこの調整に使えます。但し、ダイヤルトーンは音声より約6dB高い事に気を付けて下さい。
注、AGCボタンがoffの時、回線のレベルを表示します。これは回線レベルの問題が有るかどうかのチェックに使われます。メーターの0dB表示は電話回線レベルで約-15dBmに相当します。
FEEDBACK CONTROL
システムがオープンスピーカーを使っている時フィードバックによるトラブルが発生する場合があります。一般に質の悪い電話回線や、コーラーにより電話からスピーカーへの経路に高ゲインを要求された時のみに起こります。
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