FMasmo様 ラジオ用放送マスター 「Harmony」を導入

岩手県一関市にある、一関コミュニティFM株式会社(愛称:FMasmo)様に、マスター設備更新の際にHarmonyを導入いただきました。
更新検討時の話や、現在の使用感について、営業の佐藤 恒弥様、制作の佐藤 嘉信様にお話を伺いました。

 

| FMasmo 

岩手県一関市にあるコミュニティFMラジオ局。愛称はFMasmo(エフエムあすも)。東日本大震災も契機となり、地域に根差した情報発信力の向上を目指して2012年に開局。防災情報の提供も大切にしながら、一関市をより良くするための放送を目指している。

公式サイト

お話を聞いた方:

営業の佐藤 恒弥さん
開局当時からのメンバー。営業全般に関わる。

 

制作の佐藤 嘉信さん
開局当時からのメンバー。技術担当・パーソナリティも務める。

 


1.手作業のCM管理に終止符を!新システム検討の裏側 


───FMasmoさんについて教えてください。

制作佐藤さん:FMasmoは、一関市のコミュニティFMです。この地域は、もともと異なる文化を持つ8つの市町村が合併して生まれました。それぞれの町や村で背景が異なる中、1つのコミュニティとして団結していくお手伝いをすることを理念としています。

また、防災情報の提供も重要な使命の一つです。震災をきっかけに早期開局した経緯もあり、地域の皆さまに迅速かつ正確な情報を届けることを大切にしています。

 

───昨年にAPSを更新していますが、どのような背景だったのでしょうか?

制作佐藤さん:開局当初から使っていたマスター設備が12年以上経過し、老朽化していました。

営業佐藤さん:従来のシステムは実務に合っていない部分もありました。コミュニティFMにとって、スポンサー様からのCMは大変重要な収入源です。幸いなことにCM数は多かったのですが、以前は自作のエクセル表でCMを管理していました。

エクセルで入力したCMを競合のスポンサー様が連続していないか、アナウンサーが重なっていないかを人の目で確認し、その表を見ながら手作業で端末に登録する…という流れでした。当然時間もかかる上、不備が発生することもありました。

制作佐藤さん:当時はエクセルのスケジュールの表を見ながら、手作業で一個一個、次の日の放送スケジュールに組み込んでいました。打つ人・確認する人・入力漏れがないか最終チェックする、3人体制でやっていましたね。

営業佐藤さん:開局当初は現場の方でシステムの希望を出していたわけではなく、行政の方が用意したものだったので、10年以上作業している中で「こんな機能があれば便利だ」というのを社内で出し合い、各社のマスター設備を比較検討することにしました。

 

───更新はどのように検討を進めていきましたか?

制作佐藤さん:社内で「欲しい機能」を募集して、各社APSを検討していきました。営業側のリクエストとしては

・「CM管理が簡単なこと」

・「既存システムとの操作感・構成が近いこと」

この2点が特に重要視されました。元々使っていたメーカーさん含め、他にも何社か説明を受けていました。

 

───Harmonyにした決め手はなんでしたか?

制作佐藤さん:他社のシステムでは既存ハードの構成が大きく変わることもありましたが、Harmonyは既存の構成や操作感に近く、スムーズに移行できる点が大きな決め手となりました。実際、導入後も機材の配置などに大きな変更がなく使えています

営業佐藤さん:また、各社の金額がほぼ同程度だった中で、CM管理やスケジュール入力のしやすさが決め手となり、Harmonyを選びました。

 

Harmony導入後のマスターラック

 

───設備更新は安いものではないと思いますが、Harmonyの価格はどのように捉えていましたか?

制作佐藤さん:求める機能が増えれば、それに応じてコストがかかるのは当然だと考えています。

Harmonyはベーシックセットから、オプションを選ぶこともできるので、予算に合わせてカスタマイズ可能なのが良かったです。FMasmoでは、基本セットに加え、営放システムのFORG for Harmonyと、スタジオ生放送用にポン出し・プレイリスト再生などができる、Harmony STUDIOを追加しました。

 

HARMONYシステム構成イメージ

Harmony システム構成

営業佐藤さん:もちろん、一定のコストはかかりましたが、それ以上に仕事がしやすくなりました。CMの件数が多ければ多いほどミスは許されません。しかし、手作業ではどうしてもミスが発生してしまいます。同じ作業を繰り返すことで時間がかかり、ストレスも溜まり、作業精度が下がることもありました。そこを解決して仕事が正確にできることを考えると、費用はかかったものの、それ以上に得られたメリットが大きいと感じます。

 


2.楽になりすぎて悔しい?CM管理の時間が1/10に 


───実際に使ってみていかがですか?

営業佐藤さん:前の状態には戻れません!これから新しく入ってくる人たちが、こんなに楽に仕事できると思うと、正直悔しいくらいです(笑)

2024年12月は、Harmonyを導入してから初めて迎えた年末年始でした。毎年この時期は、年賀広告や特別番組、初売りのCMなどで、通常とは異なるスケジュール管理が必要になります。これまでは手作業で調整し、スケジュールを組み直して入力する作業が大変でしたが、今では自動化されたことで、作業の進みが格段に早くなりました

FORG for HarmonyでCMを登録する営業佐藤さん

 

制作佐藤さん:Harmony STUDIOで使用しているポン出し機能も、とても便利です。あらかじめ番組で使用する音楽や効果音を登録しておけば、タッチパネルディスプレイを押すだけで音を出せるようになっています。以前は1端末につき1系統しか使えませんでしたが、Harmony STUDIOでは1端末で2系統利用できるので、これが放送をやる上で楽ですね。

フェーダー1本でBGMや効果音を管理していると、すべての音量が一緒に上下してしまいます。Harmony STUDIOはフェーダーが2本になってるので、「片方でBGMを出して、もう片方で効果音を出す」といった操作が直感的にできるようになりました。

さらに、素材を登録できるページの枚数が多いので、番組のバリエーションに合わせて「次はこのページ」と選択できるのも便利です。これにより、番組ごとに色をつけやすくなりました。その分、事前準備に意識を向けるようになったという変化もあります。

 

───新しいシステムの導入で作業時間はどのくらい短縮されましたか?

営業佐藤さん:CM管理の作業時間は、以前の1/10まで短縮れました。

制作佐藤さん:以前は、毎日何時間もかけてエクセルを見ながら翌日の放送スケジュールを準備していました。しかし今では、CMは営業が獲得し、制作が翌週分まで登録できるようになったため、かなり楽になりました。その分の時間を、他の業務に充てられるようになったのは大きいですね。

営業佐藤さん:私は営業を1人でやっているのですが、営業も外回りの時間が取れるようになりました。今までは、3人がかりで作業をやっていたので、誰かが終わらないと次の人ができない状況もありました。なので今はみんなの時間が平均的に削減されたような感覚があります。

 


3.「ガラケーからスマホへ」直感的な操作で人手不足の強い味方!


───どんな局にHarmonyをおすすめしたいですか?

制作佐藤さん:人手が限られている局におすすめです。私たちの局も社員は9名ほどですが、スケジュール業務で実際にHarmonyを操作するのは私たち2人だけです。それでもスムーズに運用できていますし、操作を覚えれば誰でも簡単に使えると思います。

営業佐藤さん:私たちは更新前のシステムでできたことをベースにして現在運用しているのですが、Harmonyはもっと幅広い機能があると思います。FORG for Harmonyには請求書も自動で出力される機能もありますが、FMasmoでは既存の経理システムがあったので、請求書発行は行っていません。その点、新しく開局する局なら、Harmonyの機能を最大限に活用できるかもしれませんね。

 

───Harmonyのお気に入りのポイントはどこですか?

営業佐藤さん:FORG for Harmony「ランダム時間取り」機能は本当に便利です。空いているCM枠に対して、設定した条件に基づいてCM素材を自動でランダムに振り分けてくれるので、手作業での調整が不要になります。

もともと、更新前のシステムではスポンサー情報が大量に蓄積されていました。それらをHarmonyの得意先マスタに移行する際は、SCAさんにサポートしてもらいながら進めました。今では、顧客管理がとても便利になり、自由度の高い入力項目も多いので、運用しやすくなっています。

最初にスポンサー情報や素材データを登録する手間はありますが、一度登録すれば、その後の運用は驚くほどスムーズになります。

制作佐藤さん:Harmony STUDIOだと、ポン出しのボタンに素材登録できたり、「コーナーが思ったより長かった」という時にもワンタッチでBGMリピートもできます。2系統あるので、片方は流しておいて、片方から素材を出して、すぐ貼り付けて使うこともできます。まるで「ガラケーからスマホに変えた時」のような直感的な操作感があり、専門的な知識がなくても、パッとイメージ通りの操作ができますね。

 

スタジオでのHarmonyの運用

 


4.目指すはさらなる快適運営!Harmonyが支えるFMasmoの未来


───今後の展望をおしえてください!

制作佐藤さん:Harmonyにはまだ活用しきれていない機能がたくさんあります。これからもっと使いこなして、業務をさらに効率化し、より快適な運営を目指したいですね。

営業佐藤さん:広告業界やコミュニティFM局は、経営が厳しい局があるのも現状です。だからこそ、広告収入に頼るだけでなく、局を安定させる新たなビジネスの可能性も探っていきたいと考えています。これからも、「より良く」を目指していきます!

 


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